中学受験演習で差をつける!東京六大学や難関校合格を導く指導のヒント 創研アカデミー

東京六大学や難関校を目指す受験生に特化し、「個別最適化指導」を掲げる創研アカデミー。過去問研究や徹底した個別対応を武器に、多くの生徒を志望校合格へと導いてきました。

今回は、同塾の代表・榎本勝仁氏に、中学受験において独自の指導方針や過去問演習の極意、学習意欲を引き出す工夫などについて伺いました。榎本氏の指導哲学には、生徒一人ひとりに寄り添い、夢の実現をサポートする情熱があふれています。中学受験指導にお悩みの方に参考になるのではないでしょうか。

創研アカデミーの特徴と指導方針

創研アカデミーは、2003年より慶應付属中学受験専門塾としてスタートを切りました。将来的に東京六大学付属校や早慶、MARCHといった難関校に特化した受験指導をおこなっており、一人ひとりの生徒に合わせた「個別最適化指導」が特徴です

講師が一方的にただ教えるのではなく、生徒ごとに得意科目を伸ばしつつ苦手科目の克服にも力を入れ、4教科トータルでの実力アップを目指します。難関校を受験する生徒ばかりなので、志望校別の教材を用意して戦略的に学習を進めています。

志望校別に特化した工夫

過去問を徹底的に研究しています。たとえば、御三家の学校では国語の記述問題が重要です。慶應系の学校では面接や小論文も含めた総合力が問われます。そのため、単に問題を解くだけでなく、過去問演習を通じて出題者の意図を理解できるような指導をしています。

生徒を集める工夫

1990年代はテレアポで家庭教師の仕事をとっていた時期もありました。最近は、兄弟や知人の紹介で入会される方が多いですね。集客方法は昔ながらのチラシ配布です。

工夫している点としては、保護者の方にしっかり読んでもらうために、あえて文字の多いチラシにしている点と、配布場所を学校周辺や模試会場にしている点毎月保護者セミナーを実施口コミが広がりやすいように工夫しています。

学習で苦労した経験を指導に活かす

今だから笑って話せますが、浪人の10月の模試で国語の偏差値が34しかありませんでした。記述問題が解けなくて、文章を読むのも嫌でした。でも、設問ごとの意図を理解する練習を繰り返すと、12月の模試では偏差値64まで上がりました。その後の河合塾の全統記述模試で100点中98点取ったこともあります

「国語は伸びにくい」と言われることもありますが、規則を理解すればちゃんと点を取れるようになります

私自身がこのような経験をしたので、出来ない生徒の気持ちと出来る生徒の気持ちが分かります。だから、どんな苦手科目でも、正しいアプローチをすれば克服できると信じています。感覚ではなく確信を持って解けるようになりますよ

印象に残っている生徒

つい最近ですが、首都圏模試で偏差値48だった生徒が最終的に偏差値75の難関校に合格した生徒がいます。志望校対策を中心にやらせて、とにかく過去問演習に集中して学習しました。

生徒本人にやる気があったことはもちろん、保護者のサポートが本当に素晴らしかったですね。過去問演習データを取って苦手分野分析をしていました。

創研アカデミーの合格実績

毎年、慶應や早稲田の付属校や、MARCHの付属校といった難関校に生徒が合格しています。慶應では、男子が約5倍、女子が約6倍の高い倍率になりますが、当塾の生徒だと倍率はこれよりも低くなります。志望校に合格する生徒の割合は高い実績があります。

合格したその日のうちに、「はい、プレゼント」と英語と数学の問題集を渡します。合格して終わりだと、入学後に辛くなりますから、そのあたりのフォローもしています。

中学受験の指導において気を付けていること

中学受験の指導において気をつけているのは、生徒が自分で考える力を養うことですね。指導の中では、単に答えを教えるのではなく、どう考えればその答えにたどり着くかを一緒に模索します。特に国語や社会では、「なぜこの答えになるのか」を丁寧に掘り下げることで、論理的な思考力を鍛えます。また、できるだけ多くの過去問を解いて、問題解決能力を身につけます。

生徒へ真摯に向き合う

また、それぞれの生徒に寄り添って、その子にあった指導や声かけは必須です。たとえば、私は生徒を大学の野球に連れて行くこともあるんですよ。6大学で応援していた選手がプロに行くと、あの大学出身の選手だ!と結びつきますよね。それがモチベーションになって勉強を頑張る子もいます。

他にも、野球が好きな子なら、「甲子園出場校の名前を問題に絡める」といった工夫をするだけで、やる気がまったく違ってきます。講師がどれだけ生徒一人ひとりの目標に向き合えるかが鍵になりますから、まずは目の前の生徒に真摯に向き合うことが大切です。

保護者との関わり方

当塾では、年間10回以上保護者会を開き、塾での様子や学習進度について情報をお伝えしています。さらに、カジュアルなランチ会を設け、保護者同士が交流できる場を作っています。「うちの子勉強しなくて…」のお悩みで盛り上がるのが定番ですね。

学校教育と中学受験対策の違い

学校教育は主に基礎学力を身につけることが目的です。中学受験は基礎学力に加えて応用力が必須です。算数は学年でいうと2学年は違うと思います。特に、文章題の複雑さが段違いです。国語の記述では単なる感想ではなく、具体的な根拠と論理的な構成が求められます。学校で普段90点以上をとってる子でも、入試対策をしていないとまず合格しません。難関校を目指すなら、学校の授業プラスαの知識が必要です。

中学受験の演習について

ここからは教科別や宿題の量などのポイントについて伺っていきます。

国語の演習ポイント

国語は、生徒が文章を「読まされている」と感じないようにすることが大切です。物語なら登場人物の感情を追う力、説明文や読解問題では、まず文章の要点をつかむ力をつけるため、段落ごとに何が書かれているかを生徒自身に要約してもらいます。記述問題では「どう答えれば部分点ではなく満点が取れるか」を徹底的に指導します。まず解答を一緒に読み、それを「なぜこの答えが正しいのか」まで掘り下げ、自分で文章を構成する練習を繰り返すことで書く力が身につきます。

算数の演習ポイント

算数は、「どのように考えれば解けるか」を論理的に整理する力を養っていきます
文章題は、問題文の条件を正確に読み取る練習をし、図や表を使って整理する方法を指導します。生徒が自分で答えを導ける力をつけることが大切です。

6年生では、SAPIXや早稲田アカデミーなどの難しい問題をさせます。差がつきやすい単元は重点的に演習し、弱点克服に時間を割くようにしています。

理科の演習ポイント

難関校の理科は単なる暗記ではなく、知識をどう使うかを問われる問題が多いですね。そのため、問題の中身を調べ、生徒の苦手部分を分析して問題を渡します

実際の身近な現象を題材にした例を取り入れることもあります。季節の変化や植物の観察といったテーマは、生徒が興味を持ちやすいので効果的ですよ。実験や観察をテーマにした問題は出題頻度が高いので、重点的に対策しています。

社会の演習ポイント

社会は地理、歴史、公民と分野ごとに一問一答を解きます。中学受験の社会では、単純な知識問題だけでなく、複数の分野を横断するような問題が出題されることが多いため、早めの対策が必要です。試験では時事問題から連想される問題が多く出る傾向があるため、問題も時事を意識して作ります。

生徒に出す宿題の量

宿題は生徒ごとの理解度や学習状況に応じて個別に出しています。たとえば、志望校の過去問は6年生の場合、1週間で1〜2年分を解くように指示することが多いですね。ただ解くだけでなく、間違えた問題を分析し、次にどう活かすかを考えさせます。他塾と併用している生徒には他塾とのバランスも考え、負担にならないように配慮しています。

自宅学習時間は、塾の時間を含めて週50時間以上はほしいですね。保護者に学習管理アプリを活用してもらい、生徒の学習時間や内容を見える化しています。

志望校の過去問を使い戦略的に学習をおこなう

過去問は学校ごとの対策として非常に重要です。なぜなら、学校によって求められる能力が違うからです。たとえば算数でも、ある学校では論理的思考を重視しているけれど、別の学校ではスピードと正確性が問われたりする。そうした違いを知るために過去問を使います

過去問演習は生徒を受験慣れさせるツール

また、過去問演習を通じて、まず生徒の弱点が見えてきますので、弱点を重点的に補強するように計画を立てます。模試や本番に近い環境で何度も繰り返し取り組むことで、時間配分の感覚も掴めます。それこそ、どのタイミングでご飯を食べるかも重要なんですよ。

過去問は何年分くらい解くのが理想か?

志望校の過去問なら最低20年分はやらせます。できれば30年分くらいはほしいところです。古い年度のものも使います。特に大学付属校のような伝統校は、過去のデータを多く分析することで傾向が見えます。一方で、新しい学校は10年分でも十分なことがありますよ。

過去問演習を始める時期はいつが適切か?

5年生の冬から始めたいところです。算数と国語だけでもやってみて、7割でも取れたら十分です。そこから過去問の学校レベルを徐々に上げていきます。一方で、6年生になってから過去問を始める生徒も少なくありません。その場合は、スケジュールをタイトに調整し、演習回数を増やして集中的に取り組みます。

過去問演習の実践ポイント

最初は時間を気にせず、まず問題を解きながら傾向をつかむことが重要です。特に記述式や複雑な算数は、解説を読みつつ、考え方を理解することに重きを置いた方が良いですね。次の段階では、試験と同じ時間で問題を解いてみます。間違えた問題は解き直しを徹底し、どこでミスしたのかを分析することも大事です。

過去問で気づいたことや重要な解き方を復習ノートにまとめる方法もあります。これで試験直前の復習がスムーズになりますよ。

進捗は週単位でチェックし、必要に応じて計画を修正します。特に残り日数が少ない場合は、どの科目に重点を置くべきかが本当に大切です。

基礎学力をつける準備期間

基礎学力の完成は、5年生までに達成することを目標にしています。6年生からの応用学習や受験演習に向けた土台が作れるからです。基礎学力といっても、単に知識を詰め込むだけではありません。応用問題に取り組む際の『考える力』や『正確性』を育むのが重要です。5年生前半でどれだけ基礎を固められるかが、6年生以降の学習効果に大きく影響するんですよ。

生徒の理解度を測る方法

授業中にその場で解いてもらう、目の前でテストしてもらいます。問題を解いている様子を直接見れば、生徒が『ただ答えを覚えているだけ』なのか、それとも『本当に理解している』のかわかるからです。

間違えた問題については、『なぜこの答えになったの?』と質問し、論理的な説明ができるかどうかを確認することも重要です。説明できる場合は理解できていますが、『なんとなく』という場合には、再度基本に立ち返って説明しています。

生徒の学習意欲を引き出す工夫

学習意欲を引き出すためには、競争心を上手に活用しつつ、日々の努力を評価する仕組みを取り入れています。小テストや演習結果を『見える化』することで、友達同士で『負けたくない』というモチベーションを生み出せています。

また、努力をきちんと評価するために、『ご褒美制度』を採用しています。目標を達成するとコインで回せるガチャガチャに挑戦して景品をゲットできます。学習そのものが楽しいと感じられる環境になるよう工夫しています。競争が苦手な生徒には、個々のペースで小さな成功体験を積み重ねられるようにして、『頑張れば自分もできる』と実感させ、意欲を引き出せますよ。

併願校への対策

第一志望校だけでなく、受験全体のバランスを考慮し、併願校の選定と対策を進めます。特に、第一志望校と出題傾向や難易度が異なる場合は、併願校専用の対策も欠かせませんね。

具体的には、併願校の出題傾向も徹底的に分析します。たとえば、算数において高い難易度を持つ学校や、国語の記述力を重視する学校がある場合、それぞれに対応した演習計画を立てています。

過去問を分析して、併願校特有の出題形式や頻出分野を意識し、演習量を増やして慣れさせることが大切ですね。

併願校対策にも過去問を活用

併願校の過去問を最低3〜5年分は解いてもらいます。この演習を通じて、問題形式や配点の特性に慣れるだけでなく、本番での時間配分や解答の優先順位を明確にできるんです。

過去問を解く際は、単に正答率を見るだけでなく、「どの分野で時間を費やしているか」「どの問題でミスが出やすいか」を細かく分析します。その結果をもとに、弱点を補強する授業や追加の演習を設計します。

併願校の試験を単なる「練習」や「保険」として考えるのではなく、本番の一部として位置づけると良いですね。「お試し校」だとぬるいことを」言っていてはダメです。全力で合格を取りにいくためにも、併願校の過去問で安定した点数を取れるようになると、生徒自身が安心し、第一志望校の試験にも前向きな気持ちで挑めるものです。

KAWASEMI Liteは問題演習の効率化に活用

KAWASEMI Liteを使う前は、問題をコピーして切り貼りしながらプリントを作る作業に時間がかかっていました。約9年前に、ある展示会でKAWASEMI Liteを知りました。当時は紙に切り貼りした問題集を作るのに時間がかかりすぎていたので、これが一気に解決できると思い、即決し次の日から使っていきました。それからは毎年、特に冬期講習や直前期にフル活用しています。

KAWASEMI Liteを導入して生まれた変化

問題集を作る手間が10分の1くらいの手間になったのではないでしょうか。手間が減った分、プリントを作れる枚数が増えたので、導入して本当に良かったと思います。その分、インク代と紙代がかかりますが(笑)

KAWASEMI Liteで作成している問題は?

ネタバレになりますが、今年度関西で出た問題が、翌年に関東で出ることが多いんです。問題を見ていると、明らかに参考にしているな、と思うことがあります。最近良いなと思うのは、須磨学園の問題ですね。レベル的に高すぎず低すぎずでちょうど良いんです。

問題選びは、「ちょっと頑張れば解けそうな」問題を選ぶことが大切です。

あと、対策プリントを作る際には、生徒の理解度や苦手分野に応じて問題を選び、生徒の名前入りや志望校の名前いり専用プリントを作成したりしていますね。生徒たちも「自分のために作られた」と感じてやる気が出るようです。

KAWASEMI Liteを使っていない塾に対して何か一言

まだ使っていない方に一言いうなら、まずは使ってみたら?ということですね。冬季講習のテキストをただやらせているだけなら、時間も無駄じゃないかなとさえ思います。大体の生徒はボーダーギリギリで勝負しているわけだから、それを頭ひとつ抜けるために使ってみて損はないと思いますよ。正直、関東では使ってほしくないですが(笑)

榎本先生から中学受験を担当する塾講師へのメッセージ

まず、全教科を一人でやるのは難しいので、自分の担当教科だけでも徹底的に研究してはいかがでしょうか。生徒の志望校や現状に合った内容を指導するには、自分自身がその教科や学校の傾向を深く理解していないと話になりません。

また、中学受験では志望校の対策講座をうたっていても、実際には偏差値別のクラス分けで一括対応している場合が多いですよね。一括対応だと生徒のニーズに完全には応えられません。

本当に志望校対策をしたいなら、生徒一人ひとりの志望校や目標に応じた内容を用意してあげましょう。志望校の過去問を研究し、学校特有の出題形式や難易度に合った問題を、生徒たちに合わせて正しく提供してあげてほしいですね。

創研アカデミー

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