合格率トップクラス塾へ高校受験の指導法をインタビュー

中学生の頃から「塾講師になる」と決め、今では現場一筋25年。進学塾OneSelf塾長・龍神秀夫氏が掲げるのは、「進学塾はサービス業ではない」という信念です。補習はすべて無料、費用も大手の半額以下。

それでも文理学科7年連続合格、私立特待生率50%超と、結果は業界トップクラス。2024年度の受験では、塾生全員が志望校に合格しています。

進学塾OneSelf外観
大阪市鶴見区で塾を経営されています

この記事では、高校受験の指導法を軸として、教育理念や学習環境づくり、生徒のやる気を引き出す工夫について伺いました。日々、生徒の指導や塾運営に尽力されている講師の方のヒントになれば幸いです。

進学塾OneSelfはなぜトップクラスと言われるのか?

ウチは入塾テストをしていません。だから、どなたでも入れます。

しかし、地域では「かなり勉強しないといけない塾」という評判が浸透しています。だから、勉強する意思がない生徒が入ってきにくくなったというのが実情です。

2001年に開業して、最初の10年は塾の特徴は決まっていなかったです。ここ10年は「絶対的な勉強時間と質を担保してくれる塾」というイメージを持ってもらえています。

OnesSelf様の授業風景

絶対的な勉強量の目安とは?

月170時間です。入塾の際に「勉強については丸投げしてください」と伝えています。だから、親御さんから勉強についての相談はほとんどありません

その背景には、私自身が中学生のころから抱いていた「偏差値教育を変えたい」という強い思いがありました。だから、勉強はできて当たり前で他のことが大事だよ。とあいさつをする、約束や期日を守るなどについてのしつけをしています。なぜなら、社会に出てからの時間のほうが長いですし、一緒のチームで働きたい人物になるほうが大切だと考えているからです。

高校受験対策の指導法とは?

高校受験はただ勉強すればいいというものではありません。大事なのは、生徒自身が「なぜ学ぶのか」「どこを目指すのか」を自分の中でちゃんと持てるかどうか。目的意識があるかないかで、学びの質も深さもまるで違ってきます

進学塾OneSelfの教育理念

教育理念を一言で言うなら、「生徒の可能性を最大限に引き出すこと」です。もともと力を持っている子たちが、その力をちゃんと伸ばしていけるように、難関校合格といった明確な目標に向かって、自分から努力できるように導いていくのが、私たちの役目です。

大切にしているのは、知識を詰め込むことじゃなくて、その子の「やる気」をどう引き出すか。生徒一人ひとりの状況や性格に合わせてサポートしていくことを、何より大事にしています。

OnesSelf様の授業風景

成績を上げるだけが目的じゃありません。私は塾を通じて、保護者の方と一緒に“子育て”をしている、そんな感覚で日々子どもたちと向き合っています。

生徒の中にある力が開花すると信じています。意欲を引き出し、自信を育てて、その先の人生につながるような学びを、これからもずっと届けていきたいです。

進学塾OneSelfの学習環境

生徒が集中して学べる環境づくりは、本気で取り組んでいます。まず、クラスは基本1クラス15名前後です。この人数なら講師の目が行き届くし、生徒一人ひとりに合わせた指導がしやすいからです。授業中は適度な緊張感がありますが、休憩中はよく笑いが起こっています。メリハリを大事にした空気をつくっています。

OnesSelf様の授業風景

受験期になると、月170時間以上勉強するのが当たり前。平日で1日5時間、土日は10時間を超える日も珍しくありません。学校が終わってから夜遅くまで塾で勉強して、家では寝るだけ、という生活になる子もいます。

でも、生徒はそれを“キツい”とは言いません。それは塾全体に「やるのが当たり前」という空気が根付いているからです。みんなが本気だから、自分もやらないわけにいかない。「もう少しだけやって帰ろうかな」って、自然に思える環境なんです。

高密度な学習時間と、仲間と刺激し合える空気感。この両方が整っていることが、OneSelfの強みだと感じています。

大阪府公立高校入試C問題(難問)への対策

私たちが特に重視しているのは、「発想力・パターン認識・自主性」の3つです。中でも数学は、理系的な発想が求められます。補助線をどこにどう引くかといった感覚を身につけるには、地道な練習が必要です。

C問題は一問一問が思考力勝負なので、パターンの蓄積と反復がものを言います

うちでは「解き口」、つまりどうやってその問題にアプローチするかを見抜けるようになるまで、とにかく問題に触れさせます。数をこなす中で、「あ、このタイプならこう解くな」と自然に反応できるようになってくるんです。

もちろん、C問題でも基本は生徒に主体的に取り組んでもらいます。講師のほうから難易度の目安を伝えたり、方向づけをしたりはしますが、最終的に何に取り組むかは生徒自身が決めています。

小論文・AO対策コース対策

小論文やAO入試対策は、塾長である私が直接指導しています。AO入試は、一般入試よりも対策のしがいがあると感じています。生徒の個性や経験を活かせるため、しっかりと準備すれば、誰にでもチャンスがある入試です。

また、各種奨学金の取得支援にも力を入れています。たとえば、キーエンス財団などが提供する高額な給付型奨学金の倍率は非公表ですが、合格率が1〜2割と言われる国家公務員総合職試験よりも難易度が高いと感じています。しかし、私が直接指導に入った場合、3〜5割の生徒が獲得できているので、非常に高いと言えるのではないでしょうか。

生徒のやる気を引き出す指導法

勉強は本来、誰かに言われてやるものではなく、自分で「やりたい」「やらなきゃ」と思って取り組むものです。進学塾OneSelfでは、やる気と目的意識を育て、自信を持って歩み出せる子どもたちを育てています。

やらされる勉強から、自分でやる勉強へ

高校合格をゴールにするのではなく、その先の大学や社会人生活までを見据えて、「働くってどういうこと?」「今、どんな力を身につけておくべき?」といった問いを授業の初期から投げかけています。勉強が“現実とつながっている”と感じられれば、日々の学びにも意味が出てきます。

次に、目標設定とプライド。たとえば、小テストで満点を逃すと本気で悔しがる気持ちを育てたい。「どうせ無理」ではなく、「どうやったら満点を取れるか」を考える。その姿勢が自信と集中力を引き上げてくれます。

教室全体の空気づくりも意識しています。「これくらいでいいか」のような緩さは許されません。全員が本気でやっているからこそ、自分も本気になる。そうやって、生徒同士が自然に引き上げ合っていく環境をつくっています。

あとは、結果を出すこと。徹底的に学び成果を出す。それが成功体験となり、「やればできる」という感覚が自信と次のやる気につながります

集団指導と個別指導の組み合わせ

進学塾OneSelfの基本は集団指導ですが、生徒の状況に応じて個別指導も柔軟に組み合わせています。通常の授業は1クラス15名前後。仲間と切磋琢磨することで、学習へのモチベーションが自然と高まります。

ただ、集団だと不安な子や授業のペースに不安がある子には個別対応を入れています。たとえば、理科は集団で受けつつ、英語や数学は個別でサポートする、というように、教科ごとの対応も自由に組み替えています。

補習もすべて無料です。追加料金をとらないのは、事務手続きの手間を減らしたいという理由もありますが、それ以上に「必要なサポートには手を抜かない」という考えがあるからです。 

高校受験のための学習スケジュール

中1のうちから「何のために学ぶのか」を考えさせるところから始めています。数学・社会は中3夏から、英語・理科は中3秋から過去問演習に入ります。国語は中1から過去問に触れてもらいます。短文中心のコミュニケーションになったからでしょうか。クセを矯正するのに時間がかかるからです。

以下が、3年間のざっくりとした学習の流れです。

学年次期学習内容・方針
中1入塾直後〜通年・学習の目的意識を育成する
・将来から逆算した学習計画を立てる
・基礎学力を定着させる
・英語文法の早期習得を目指す
・国語の過去問に触れさせる
中2通年・英語の応用問題に着手する
・5教科の基礎完成〜応用へ移行する
中3春〜夏休み前・教科書内容の学習完了を目指す
・応用・実戦力の強化する
夏休み・過去問演習スタート
1〜2月(受験直前)・月170時間以上の学習時間を確保する
・志望校ごとに実戦演習を行う

これはあくまで理想のスケジュールですが、うちでは決して画一的なやり方を押しつけることはしません。

大事なのは、生徒自身が自分の目標と今の状況をふまえて、どう時間を使うかを考えられるようになることです。最終的には、自分で計画を立てて、自分の力でやり切れるように育てていきたいと思っています。

過去問演習にKAWASEMI Lite(カワセミライト)を活用

過去問演習で大事なのは、「今の自分に足りないものは何か」を見極めて、そこにちゃんと向き合えるかどうかです。

以前は赤本で指導をしていました。それが、KAWASEMI Liteを使ったら効率的になりました。なぜなら、類題を探すのが圧倒的に楽だからです。独自の活用法として、うちの特徴である演習量の確保と生徒の自尊心をくすぐるしかけがあります。

KAWASEMI Lite を“主教材”として活用

KAWASEMI Lite を導入してまだ2年ですが、これはもう“補助教材”ではなく、完全に“主教材”として使っていくべきだと感じています。今年は思い切って、理科と国語の四半期教材をやめて、KAWASEMI Lite に全振りしました

英語はまだ文法の習得が前提になるので難しいですが、理科・社会・数学ではすでに主軸として機能しています。
KAWASEMI Lite の良いところは、単元や出題形式ごとに問題が細かく分類されていて、生徒自身が自分の課題に合わせて選べる点です。

OneSelf独自のKAWASEMI Lite活用法

KAWASEMI Lite を最も活用しているのは、実は生徒たち自身なんです。講師よりも早く、的確に、自分の弱点を見つけて、その穴を埋めるための問題をどんどん選んでプリントしています。

特に数学では、補助線や関数といったピンポイントな苦手にも類題演習で対応できるようになりました。意外だったのが、社会の使用頻度が高かったことですね。

生徒自身が、知識を覚えた上で「問い方が変わっても対応できるか?」というところまで意識して演習しているため、本当に力のつく使い方をしていると感じています。まさに、自主的に“実力をつける演習”ができている状態です。

自尊心を刺激する講師席でプリントを出力

プリントの出力は、あえて事務所内のパソコン・プリンターを使わせています。生徒は講師用の机に座り教材を選んで出す。この“講師席に座る”という行為が自尊心をくすぐるようですね。また、すべての生徒に伝えるのではなく、ひとりの生徒にこっそりと教えました。私もやりたい!と広がっていきました。使い方を全員に伝えていたら、現在のような結果にはなっていなかったと思います。

KAWASEMI Lite は、ただ問題が多いだけではありません。単元の絞り込みや複数の類題を効率的に選べます。生徒は自分で「今の自分に足りてない部分」をちゃんとわかっています。KAWASEMI Lite を使えば、苦手を補うための単元を絞り込み、複数の類題を自分で選べるんです。だから、自然と「苦手を見つけて、潰していく」という自己サイクルがまわり始めます。

演習ノートとの併用で苦手をなくす

進学塾OneSelfの演習ノート

うちではKAWASEMI Lite と併用して「演習ノート(間違い直しノート)」を使っています。何をどう間違えたのかを自分で整理し、さらにKAWASEMI Lite で類題に挑戦できます。

進学塾OneSelfの演習ノート中身その2

KAWASEMI Lite を利用するようになって、生徒が自分で考えて自分で動くという学び方が簡単にできるようになりました。KAWASEMI Liteは、ただの教材じゃなくて、生徒が自分で考えて動くための“仕組み”そのものですね。

進学塾OneSelfの演習ノートの中身

今では、うちの塾にとってなくてはならない存在になっています。定額で使い放題なので助かっています。うちほど使っている塾は他にないかもしれませんね。

高校受験を担当する塾講師へのメッセージ

OneSelf塾長の龍神先生

根幹にあるのは「生徒のために頑張りたい」という気持ちだと思うんです。ただ、それは決して“やりがい搾取”のようにたくさんの時間を使ってほしいという意味ではありません。

大事なのは、「この子を伸ばしたい」という気持ちをしっかり持って、その気持ちを日々の仕事の中で注いでほしいということ。時間ではなく、どれだけの“想い”をかけられるか。できれば100%ではなく、120%の気持ちで生徒に向き合うことが大切です。

最も大事なのは、私たち講師自身の姿勢です。こちらが本気でぶつからなければ、生徒の心は動きません。情熱をもって真剣に向き合えば、生徒も本気になります。結局、言葉よりも背中で見せるのがいちばん伝わると思います。

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