入試直前対策にKAWASEMI Liteを活用-新・個別指導アシスト習志野校様
2025年11月7日 | お客様の声
入試直前期のある日、中学3年生のAくんが本棚から古典の参考書を手に取り、古文作品の作者や時代、ジャンルをノートにまとめていました。
「宿題?」と声をかけると、彼は首を振りました。「入試に出るかなって。授業で全然やってないし……」
Aくんが第一志望の公立にも、併願の私立にも古典文学史の出題はありません。私は「過去問に文学史は出てこなかったよね。だから授業では扱っていないんだよ」と伝え、いったん手を止めてもらいました。
このやり取りは、指導者が傾向を把握していても、生徒側は「やっていない領域=不安」と捉え、直前期に時間を割いてしまう現実を示しています。塾だけでなく家庭・学校で学ぶ時間も含め、生徒と「いま何に時間を割くのか」を共通認識にしておく仕組みが必要だと痛感しました。
もくじ
出題単元を“見える化”する
そこで私はまず「出題単元の可視化」から着手しました。使ったのはプリント教材作成システム「KAWASEMI Lite」です。都道府県で絞り込み、単元ごとに過去問を検索し、出題履歴を表にまとめます。

少し時間はかかりますが、生徒と共有できる出題単元一覧ができました。「KAWASEMI Lite」は市販の過去問集などの一覧表に比べ分類が細かいため、より踏み込んだ入試分析をしているアピールにもなります。
単元別に出題傾向を分析する
当塾のある千葉県を分析したところ、数学は細かな分類で255単元あるうち、直近14年間(2012~2025年)で出題されたのはおよそ4割の105単元にとどまります。また、千葉県では4年前から出題形式に変化がありました。変化後の4年間に限ると出題は33単元に集中しています。
| 数学単元数 | 255単元 |
| 直近14年間に出題 | 105単元 |
| 直近4年間に出題 | 33単元 |
もちろん、過去に出題のなかった新出の単元もありますが、配点ベースでは限定的です。つまり千葉県では「広く薄く」よりも、過去に出題されている単元を確実に得点できるように対策する方が、点数の下振れを防げるということです。
データで傾向をつかみ地域の型に寄せた学習が合格の近道
これは特定地域だけの話ではありません。実際、整数の計算ひとつ取っても、東京は小数・分数を含む四則混合、茨城だと整数の加減、千葉(最近)=整数の四則混合と、都道府県ごとに求められる型が異なります。
そのため、進学塾で定番の「全国の過去問を北から順に」など手当たり次第に過去問を解く練習は、演習量の確保という意味では価値がある一方で、各地域の出題傾向に合致した学習にはなっていません。まずデータで傾向をつかみ、地域の型に寄せることが合格への近道です。
直前期の時間配分は頻出を優先しつつ苦手つぶしを実施
直前期は時間が限られます。各自の苦手つぶしも大切ですが、出題確率の高い単元に優先的に時間を投下するという選択も同じくらい合理的です。特に11月の定期テスト明けくらいからは、「KAWASEMI Lite」で作成した単元別プリントで練習する際に、正答率を記録していきます。
正答率は生徒本人に記録させると、講師の手間も省けますし、生徒自身が自分で何を勉強すべきかを把握できます。各自の正答率を踏まえ、得意単元と苦手単元で学習の頻度に差をつけたり、個別の苦手対策プリントを作成します。
「KAWASEMI Lite」ではプリントの名前を自由につけられるため、生徒名を入れたプリントで特別感を出すこともできます。基本的には直前期が近づくほど学習範囲を絞っていきますが、数学が苦手な生徒には、もう少し早い時期から始めます。対策すべき問題を徹底的に絞り、「確実に得点できる単元」を増やす戦略も取り入れています。
出題傾向の一覧と個別対策が合格を引き寄せる

入試が近づくほど受験生は、まだやっていないことを探し、解かなくてもよい難問に時間を奪われがちです。しかし、それが得点力の向上に直結するとは限りません。だからこそ、生徒と講師が同じ指針を共有することが肝要です。
地域の出題傾向を分析し、出題傾向を可視化する。出題確率の高い単元に優先的に時間を投下して、直前期を効率的に使いましょう。生徒に合わせたプリントを作るのは手間ですが、「KAWASEMI Lite」なら、単元ごとの対策プリントも簡単に作成できます。

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