塾で生徒数を増やすための3つのポイント
2023年10月13日 | お役立ち情報
学習塾において集客は安定的に運営をしてくためにも大切なことです。
少子化により、子どもの数は今後間違いなく減少していきます。
そのような環境下でどのようにして生徒を獲得し、増やしていくのかということは塾を運営していく上で非常に重要な課題になります。
生徒が増える塾と全く増えずに淘汰されていく塾、これらの二極化は一層進むものと考えられます。
今回は生徒数を増やす具体的な動きについて解説します。
もくじ
1.現在通室している生徒の満足度を上げる
大切なのは、現在通室している生徒の満足度を上げることです。
集客をしていく、生徒数を増やしていくために最も大切なことではありますが、意外と外部営業に力点を置いてしまい、疎かになってしまう点でもあります。
具体的に通室している生徒の満足度を上げるには、どのようなことが必要なのかご説明します。
生徒の成績向上を果たす
塾の大きな使命として生徒の成績向上、合格進学を果たすことです。
塾に通わせるご家庭の多くから出る希望としては、下記2点が塾に対しての希望、要望になります。
- 成績を上げてほしい
- 希望する学校への合格を果たしてほしい
では、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。
中高生であれば、最大の目的は学校の定期テストです。学校の定期テストは事前に日程も分かり、範囲も決まっています。よって、対策が非常にしやすいテストになります。
まずは通室している生徒の学校について徹底的に調べ上げてください。
- テスト日程
- 範囲
- 今までの問題
ここまでは最低限集めましょう。通っている生徒から回収すると一番早いです。そして、回収した情報を分析してください。出題の範囲は教科書なのか、問題集なのか、先生作成のプリントなのか。
この点を把握できれば対策は簡単です。定期テスト2週間前からテスト範囲を反復演習し、当日に備えてください。
その上で、結果が判明した段階で成績向上事例は大々的に掲示、発信します。
「数学100点獲得」「前回テストから10点アップ」のように、どのようにしたら相手に訴求できるのかもぜひ工夫してみてください。
保護者の目的を果たす
塾に通うのは生徒本人ですが、保護者が塾に対して何を求めているのかを確認し、その目標目的を果たせるようにしましょう。
上述した通り、学校の成績を上げたい、志望校に合格したいという希望・要望とともに、
- 自宅で勉強をしないから勉強をする場を与えたい
- 保護者が教えられないから対応してほしい
こういった希望・要望もあります。
もちろん塾として成績を上げる、志望校へ合格させるを目指すことは当然です。しかし、ひとり一人にあった目標、目的を叶えられるよう、相手に見えるような動きを取りましょう。
定期テスト前後での情報共有は当然ですが、成績以外での通塾の目的があればこまめな進捗報告をしましょう。安心感を与え、保護者との信頼関係を築くことができます。
信頼関係を築くには1回の面談を長時間行うよりも、短い時間で多くの接点、回数を設けてください。
特に入塾したばかりの時には、意図的に行うようにしましょう。
塾の先生の顔を知ってもらう
多くの塾で、教室長と授業をする講師が違うことがあります。
保護者にしてみると実際に教えている講師の顔が見えないことは不安の一つです。
こちらも意図的に保護者と対面する機会を設けるとよいでしょう。
- どのような人が教えているのか
- どのような人が日頃メインで対応してくれているのか
これらの場を設けることで保護者の安心感につながります。
集団塾であれば定期的に行う保護者会や説明会、個別指導塾であれば個別面談の際に同席してもらうとよいです。
伝聞で講師を紹介するよりも直接対話することでお互いの希望要望、期待を共有することができますので、行き違いも減ります。何よりも講師への期待、保護者からの熱意を直接伝えられることで、講師の授業へのモチベーションアップにもつながります。
また、教室を運営する塾長・室長も積極的に保護者に顔を覚えてもらう行動をとりましょう。
オンラインやアプリ全盛の時代だからこそ、学習塾は対面コミュニケーションで信頼関係を築いていきましょう。
現在、通われている生徒、保護者への対応の仕方を説明しました。
生徒とのコミュニケーション、接点を増やすとともに、その奥にいる保護者の存在を忘れないようにしましょう。
保護者との接点を増やすことで教室運営自体もスムーズに行うことができます。
生徒を増やすためには集客も重要ですが、現在通っている生徒が辞めないことも大切な要素です。外への営業(攻撃)だけではなく、退塾防止(防御)も併せて進めていきましょう。これらの動きが後述する口コミにもつながります。
2.保護者や生徒に認知される行動を取る
現在通室している生徒の満足度を上げるとともに、生徒数を増やすためには新たな生徒の獲得が大切です。
新たな生徒の獲得のためには、保護者や生徒に塾の存在や価値を認知してもらう必要があります。
ここでは認知してもらうための具体的な動きについて説明します。
イベントを実施する
個別のテストや体験会、説明会も有効ですが、一気に集客をするためにはイベント開催が有効です。
塾を検討し始める時期(新学年進級前、春、各種期間講習前、秋)に一斉テストや特別講座(学習をメインとしつつも生徒が楽しめるようなもの)と同時開催で保護者会をするのがおすすめです。
生徒がテストや講座を受講している間に、保護者に説明の場を設けることで、塾の価値、メリットを直接伝えることができます。
小学生は親の意思、中高生以上は生徒の意志で塾を決めることが多いため、小学生を対象としている塾であれば保護者会は必須です。
中高生に対しても最終的な判断は「保護者」です。保護者が納得する材料を増やしておくことは大切です。
生徒・保護者同時に遡及できているイベントなのか、開催前にはよく考えて決定をしてください。
とは言え、内容よりも開催時期、タイミングが重要なので、近隣の塾の状況を把握し、あえて重ねるのか、重ねないのか判断は必要です。
年度の初めまでには取りまとめて準備をしていくことをお勧めします。
外部への発信をする
イベント案内や成績向上、合格実績事例のように成果を外部に発信、認知してもらうことが大切です。その際に有効になるのが、現在通っている生徒、保護者になります。
通っている人の声は何よりも相手に届きます。通っている生徒の保護者はわが子の状況はよく把握していますが、実は塾の実績や取り組みについては意外と知らないものです。
外部への発信をするに際に一番大切にすべきことは現在通っている生徒、保護者への告知と紹介のお願いになります。友人知人、兄弟姉妹に声をかけていただけるようにしましょう。
また、最近は新聞折り込みチラシを入れてもほとんど反応はありません。
新聞の購読率は下がっているため、反応も悪くなっています。
最近の主流は
- SNSの活用
- HPの掲載
- 塾の張り紙・ポスターなどによる掲載
などです。できるだけ多くの方の目に触れるようなポイントを見極めて、継続的に、かつ早めに告知をスタートしましょう。
多くを語る必要はありません。日程や概要を掲載しておきましょう。
外部への発信も、現在通っている生徒や保護者がポイントということは、繰り返しお伝えしておきます。
3.口コミ、評判を高める
通う塾を決めるにあたり、当然塾との相性や雰囲気、自宅からの距離も大きな要素になりますが、口コミや友人紹介は強い後押しになります。
特に公立中学生についてはこの点が大きな要素を占めます。よって口コミや評判を高めていくことが生徒数を増やすために大切なことです。
先に挙げた外部への発信においても現在通っている生徒、保護者が担う役割は非常に大きなものになります。
口コミを生むための工夫
口コミは待っていて発生するものではありません。塾側が意図的に仕掛けて、攻めていかなければその効果は半減します。
口コミ、評判は生徒数増加のために欠かせないものです。
ここでもやはり、通っている生徒、保護者とのかかわり方、役割は大きくなります。
口コミを発生させるためには成績向上と合格進学の実績をきちんと発信し、相手に伝えることです。「伝えたつもり」ではなく、相手に届かなければ意味がありません。
- 現在通っている生徒に塾での取り組みは伝わっていますか?
- 生徒だけではなく、保護者にも伝わり、満足されていますか?
この点がきちんと伝わっているのであれば、後は直接、生徒や保護者に紹介の依頼をしていきましょう。
- ぜひ困っている生徒、保護者がいたらご紹介ください。
- ご紹介いただいた生徒について責任をもって対応させていただきます。
こちらも相手に伝わるようにしてください。「何度も何度も」です。
また、紹介を生み出すために、自分の塾が紹介で増えているということもぜひ伝えてください。事あるごとに紹介いただいていることを紹介してくれた方だけではなく、全体に発信するようにしてください。発信すれば、紹介のハードルは下がります。
その為にも成果を出すこと、生徒保護者の満足度を作り上げることが大前提になります。
通うメリット、強みを明示する
多くの方が塾を選択する際に比較します。
- 自分の塾の強みは何か?
- ほかの塾との違いは何か?
正確に言えるでしょうか。
塾の授業形態は集団、個別、もしくは少人数と大きな差別化はできません。
料金についてもある程度の差はあるものの、価格だけの勝負にはなりにくいことが多いです。要は、授業形態や料金だけで競い合っても、塾の価値を見出すことはできないということです。
では、自分の塾に通うメリットは何でしょうか?
通うことを検討している生徒・保護者に
- 「この塾に通ったらどのように生徒が変化をして、成長するのか」
- 「その先のどのような未来があるのか」
こういったストーリーが描き、相手にイメージさせられていますか?
教育はその場で料金という対価に対して、成果をお渡しすることができません。
商品が目の前にあり、交換するわけではないということです。
保護者は「この塾に預けたら、任せたらわが子がこのように変わるかもしれない」という期待に対して料金を支払います。過剰なリップサービスはいけませんが、「わくわく」や「期待」を伝えましょう。
それらが自分の塾の強みであり、価値になります。
価値を伝えるときも、口コミからの紹介であればスムーズに進みます。
だからこそ、集客においての最強のツールは紹介であり、口コミです。反面、その地域で負の口コミ、評判が広がってしまうと非常に厳しいです。最初が肝心です。
1人の生徒、保護者に対して、その後ろには多くの人の目がある、ということは常に忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は「塾で生徒数を増やすためには」というテーマについて解説しました。
塾として一番大切である、成績向上合格進学を果たすことは当然として、通っている生徒、保護者の満足度を高めていくことが生徒を増やすポイントになります。
内部での満足度が低ければ、口コミ、よい評判が発生することはありません。せっかく入ってくれた生徒も抜けてしまうでしょう。その為にも生徒保護者との直接の接点を増やし、顔が見える安心感、そして期待感を与えられるようにしましょう。
今通っている生徒、保護者を大切にすることが、塾の生徒数を増やすポイントであるということが伝わったのではないかと思います。
ぜひ、今から目の前にいる生徒に寄り添い、保護者とともに伴走していきましょう。
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